神話・歴史
注記:ここで語られている神話、歴史は現在のイシュフェリア神殿が編纂したものです。
イシュフェリア世界の誕生
或る一人の神
或る一人の神『完全なる者』がいました。
唯一人であるが故、彼は『完全なる者』でした。
或る日、『完全なる者』は涙を流しました。その涙は大きな海となり水と司る海の女神アーディアを創り出しました。次の日には足を踏みしめて大地の神ヴァルファスを創り、また別の或る日には息を吐いて風の神ディハウルを創りました。
そして、それぞれを司る子供たちを創り出し自然を治める者としました。子供たちはそれぞれに精霊の王を造り、自然を作り出しました。
108日目に、『完全なる者』が「炎よ」と唱え最後に火の子としてイシュフェリアを創ると、末の子であるこの者に世界を統べて良きほうへ導くように伝えました。
豊穣の時代
最後に、『完全なる者』はその身より2つの白き翼を持つウルクを無数に産み出すと、大地にひれ伏し永遠の眠りにつきました。死の誕生です。この時、夜を統べる神アドラーと再生を統べる神レフェスタリアが『完全なる者』を悼み悲しみ、片時も離れることはありませんでした。
ウルクたちは真っ白な髪と翼、『完全なる者』と同じく燃えるような赤い瞳を持ち、神々と同じように、様々な奇跡を起こすことができました。108人の神と多くのウルク達は少しづつ、注意深く世界を創り上げていきました。
まずウルクは水の神アーディアの力を借り、美しい種族エルフを創りました。多くのウルクが自らの持つ魔力の全てをエルフへと譲りました。彼らエルフには寿命というものがありましたが、愛を育み子を残すことができました。広大な世界はエルフの賢き知性によってどんどん豊かになっていきました。ウルクは魔力と共に片方の翼を失いましたが、満足しました。エルフたちの治める文明『エルティス』は高度な魔力と精霊の王たちによって支えられていました。 その繁栄によって空を飛ぶ船や、都市をも空に浮かべるほどであったと言われています。
絶望の時代
豊かに数を増やし続けたエルフたちに悲劇が起こります。突如、始祖神の肉体からゴブリンやオークといった妖魔と邪龍が生まれ彼らに戦いを挑んだのです。エルフの中にも、邪悪な心を持った者が生まれダークエルフと成り果てました。エルフたちは上手く戦いましたが、妖魔の数はあまりにも多く、多くの命が失われていきました。
ウルクは妖魔達と戦うために、土と戦いの神ヴァルファスの力を借りて頑強で器用な手先を持つドワーフを創りだしました。ウルクは残ったもう片方の翼を代償として、何者にも屈しない力と頑強さをドワーフに与えました。盾となるドワーフたちと魔力に長けたエルフの力は強力でした。2つの種族が手を取り合うと、あっという間に妖魔を駆逐していきます。エルフの英雄『セルマ』を象徴にして、両種族は反撃を開始しました。セルマは白き剣をもって、神々とともに邪龍や邪神と戦いぬき遂には勝利しました。邪龍、邪神は封印されることになります。
力の時代
しかし、激しい戦いの果てに文明『エルティス』は荒廃してしまいます。しかし、妖魔を北方や西方へと追いやると、次にドワーフたちを中心にして大陸中の地下に新たな王国を築きはじめました。ドワーフ達はその頑強さと手先の器用さを生かし、大きく数を減らしたエルフに代わって世界を治めました。この時代、数を減らしたエルフはドワーフをよく支え、両種族は一大文明『ティターン』を築いたと言われています。ミスリルだけで造られた都市や、地中都市、水中都市や空に浮かぶ都市といった今では考えられないほど高度な文明を誇っていました。その支配力は別の大陸にまで及んでいたといわれています。
その頃、風の神ディハウルは、ウルクの生み出した素晴らしい種族を羨ましくなり、自らも同じように種族を創りました。既にウルクの力は2種族に注がれていたため、傍にいた神獣の力を借りて人型の種族を造り出しました。彼らはリルビットと呼ばれ、愛らしい尻尾と悪戯せずにいられない好奇心旺盛な性格を持っていました。そのおかげで、世界には若干の混乱が起こりました。ディハウルはリルビットの悪戯好きな性格に恥ずかしくなり、姿を見せなくなりましたがリルビットたちはそんなことを気にもせず、世界を放浪し続け数を増やしていきました。世界はとても広大なので彼らの好奇心は刺激され続けました。
対立の時代
永く平和な時代が続きました。しかし、豊かになっていくにつれエルフ族とドワーフ族の間に諍いが起こり、それぞれの種族はお互いの領域へと閉じこもっていきます。エルフは森に。ドワーフは山に。両者の対立は徐々に表面化していきます。この争いの中、邪龍の力を利用しようとしたエルフによって再び封印が解かれてしまいます。永き眠りによって力を蓄えた邪龍は邪神の封印をも砕き、眷属の竜や妖魔とともに世界を混沌によって破壊していきます。特にドワーフの被害は甚大でエルフと同じ程度にまでその数を減らしてしまいます。神々とその子供たちは苦境に立たされています。
この苦境にウルクは火の神イシュフェリアにその力を借り、戦いの為に新たな種族を生み出すことにしました。こうして人間=ヒトは生まれた。しかし、ウルクは自らの力をエルフとドワーフにに分け与えてしまっていた為、人間には何も与えることは出来ませんでした。その為、人間は力も弱く、魔法も上手く使うことができませんでした。しかし、人間は戦闘以外の雑用などでは役に立ち徐々にその数を増やしていきました。寿命も短く力もない人間でしたが、その数を増やすことだけには長けていました。
紅蓮の時代
邪悪な妖魔、竜たちとの戦いはヒトが生み出されてからも苛烈を極め、多くの者たちが命を落としていきました。しかし、戦況を変えたのは何の力もなく役に立たないと思われていた人間たちでした。時が経つにつれ人間たちの中に、力の強い者、魔力の強い者、神の声を聞くことの出来る者などが現れ、実際にこれらの力で他の種族を超えるものまで現れ始めました。 ウルクの長「白き王」とともに逆襲が始まりました。
最後の竜が打ち滅ぼされたとき、すでに全ての神々は肉体を失っていました。また、ウルクをはじめエルフやドワーフなどの種族も多くの者が命を落としていました。
支配と隷属の時代
平和な時代が再び訪れました。ウルクたちは神々を失いましたが、その声を聞くことができました。彼らは世界を良く統べて、豊穣の時がを取り戻しました。
しかし、ウルクたちはかつてのような心優しき種族ではなくなり、徐々にその統治が腐敗していきました。ウルクたちは他種族の者たちを、その出自や役割に応じて階級分けして統治しはじめました。階級が低い者は奴隷として売られていきます。かつての楽園は徐々に階級的な社会へと変貌を遂げていきました。現在のザーディンを中心として、ウルクに統治された王国群が栄えました。この王国群ジャルグシアは千年にわたり大陸を治め続けます。諸王国はあらゆる種族を残酷なまでに厳しく管理しました。
この中でも現在のディーヴァの位置にあったビッフェスと呼ばれる白の王が治める国では、凄まじい圧政が行われていました。特に、人間=ヒトに対しての弾圧はもはや家畜同然(或いはそれ以下)の扱いであったようです。
反逆と安定の時代
この王国の闘技場で戦う或る人間の剣闘士が、ある日炎の神イシュフェリアの声を聞いたとされます。そしてすでに腐敗してしまったウルクたちに反逆の狼煙をあげました。男は白の王を倒し、各地の反乱がきっかけとなりました。各地で虐げられていた各種族の人々が立ち上がり、その勢いは大陸中へと伝わっていきました。
僅か12年の間に男は大陸を統一しました。それはウルクたちにさえなし得なかった大陸全土の統一であり、人々は自分たちを解放してくれた男をいつまでも称え続けました。男は炎の神イシュフェリアへの感謝を示すため、大陸と帝国の名をイシュフェリアと定めました。初めて声を聞いた年を元年とし、イシュフェリア暦12年。初代イシュフェリア皇帝が誕生しました。これが現在より約200年前の出来事です。
第8代イシュフェリア皇帝 ラムダまで、未だ残る妖魔との戦いを続けながらも人々は自由を楽しんでいました。しかし、201年にイシュフェリア皇帝 ラムダは突如妖魔への攻撃を終結させます。同時に奴隷制度を復活させ、過酷な税の徴収を始めるなど、突如圧政を布き始めます。イシュフェリア暦207年、それまで帝国に属していた16のうち13の王国が帝国からの独立を宣言し、それぞれ複数の国が集まりセレディカ公国、エムレア連邦、ヴァイゼン共和国を興しました。
